新・お笑いBIG3と、オークラ世代
2012年8月24日放送の「キカナイトF」は「わくわくしたランド なぞなぞウォーズ」でした。
キカナイトF 8月24日放送
ゲストよりも正解するのが遅かったキカナイトメンバー全員には即「シタラクション」が敢行される!
「シタラクション」の中身は“嫌〜な質問"に本気で答えさせられる「強制カミングアウト」というもの。
「芸能界で抱くマジな野望とは何?」などガチで答えるのがとても恥ずかしい質問ばかりが待ち受けている・・・。
ウソをついたり、はぐらかしたりした場合は、さらに罰ゲームドリンクを飲み干さなければならない!
罰ゲームから免れるため、メンバーたちは刺客に勝ち続けることができるのか!?
そこで三村さんが罰を受け、カミングアウトした「芸能界に対するマジな夢」。
三村「(前略)『たけし・タモリ・さんま』っていう『お笑いビッグ3』っていらっしゃいますよね。
あの、お笑いビッグ3にも、(かつて)『御三家』も、『新御三家』があったように、『新お笑いビッグ3』っていうのができてくると思うんですよ、今後、5年後か10年後。
その、ビッグ3の一角にいたいな」
これは、『バナナムーンGORDのpodcast *1 』や、『内村さまぁ〜ず *2 』で語った、
『ざっくりお笑い年表に載りたい』という思いに重なります。
三村さんの偽らざる本音でしょう。
では、『新・お笑いBIG3』になる可能性がある芸人とはいったい誰なのか。
独断と偏見で考えてみることにしました。
まず、資料として以前バナナムーンで語られていた「芸人ヒエラルキー」を自分の過去のエントリから転載します。
超大御所=BIG3(タモリ、ビートたけし、明石家さんま)、笑福亭鶴瓶 など
バラエティプレジデント=とんねるず ウッチャンナンチャン ダウンタウン
(お笑い第3世代)
特殊プレジデント=ダチョウ倶楽部 出川哲朗
ビック中堅=今田 耕司 東野 幸治 ナインティナイン 雨上がり決死隊 さまぁ〜ず 千原ジュニア 等
特殊中堅=江頭2:50
スーパーミドル=バナナマン おぎやはぎ 有吉 弘行 ブラックマヨネーズ FUJIWARA 千原せいじ 等
一発ミドル=ダンディ坂野 小島よしお
若手中堅=ピカル、はねトび、元レッドシアターメンバーら
一発若手=スギちゃん
若手=ネタ番組出演経験ありの若手
無名=GO皆川 ランチランチ その他大勢
(敬称略)
現在は本当に芸人が沢山いますので、昔のようなスターを求めるのは難しいかもしれません。
でも、この中から「たけし・タモリ・さんま」に共通した「芸人としての圧倒的な力」と「同世代感」を身にまとった、今後のお笑い界を担っていく中心人物をあえて選ぶなら、三村さんいうところの「5〜10年後」、つまり2020年前後に脂の乗っている人たち、と仮定しました。
悩みますが、私がまず挙げたいのは、くりぃむしちゅーです。
このヒエラルキーでは「ビック中堅」に属しますが、彼らの活躍ぶりや知名度は、頭ひとつ抜けているように思います。
ここに世代を設定すると、お笑いファンなら頭をかすめるのが「ミドル3」。
ミドル3は、くりぃむ・さまぁ〜ず・雨上がり決死隊の3組です。
これがそのままBIG3になる可能性も大いにあります。
ですが、スター性を加味すると、私見ではナインティナインを入れるべきではではないかと思います。
若くして世に認められた、申し分ない実績とスキルを携えているこの世代のヒーローです。
最後のひと組には、やはりさまぁ〜ずを入れたいように思いますが、個人的にはバナナマンを推挙したいです。
世代的にはひとつ下ですが、今春より設楽さんが帯番組「ノンストップ!」を始め、彼らの位置づけは大いに上がりました。
また、舞台・テレビ・ラジオなどと多くの場でコンスタントに活躍していることから考えても妥当だと考えます。
これが個人的な新・お笑いBIG3です。
三村さんごめんなさい…。
あくまでも私見です。
ピン芸人に特化するなら、今田さん、ジュニアさん、有吉さん、ひと世代下ならバカリズムもいますし、
オードリーも、この位置に相応しいコンビだと思っています。
くどいですが、今は昔と芸人の数が圧倒的に違いますから、見方によってはいくらでも「新・お笑いBIG3」のようなグループを作れるでしょう。
そう考えると、さまぁ〜ずも関わるであろう「お笑いざっくり年表」に対して、大きく載せるべき事象があると思うのです。
「splash!! vol.4」より。
オークラ「音楽でいうところのティン・パン・アレーに憧れてたんですよ。
いろんな才能のある人たちが集まって一緒にやるっていうのをお笑いでやりたいなってずっと思っていて、
その時に僕と豊本とラーメンズの小林賢太郎と一緒に『チョコレイトハンター』っていうユニット作ったんですけど…(後略)」
(特集『コントの現在』 東京03×オークラ / P.43 より 抜粋)
オークラさんが憧れていた「ティン・パン・アレー」とは。
ティン・パン・アリー
1880年ごろからニューヨーク市マンハッタン28丁目、5番街とブロードウェイの間にポピュラーソングの出版社が並び、ヒット曲をきそったことから〈ポピュラー曲出版界〉という意味で架空の通りの名前がつけられた。
1940年代以降には出版界・大衆の嗜(し)好が変わって、事実上ティン・パン・アリーはなくなったといわれている。
(音楽の友社 「新音楽辞典(楽語) 第19版」 P.381 より)
それまで楽譜出版社はクラシック中心に仕事をしていましたが、20世紀初頭のアメリカでは資本主義の広がりとともに、大衆音楽の出版ビジネスが社会現象となりました。
大ヒット曲「アフター・ザ・ボール」の譜面は500万部を売り上げたそうです。
当時、才能のある音楽家がアメリカ中からティン・パン・アレーへ集まったと言われています。
そして、オークラさんが関わってきた、バナナマン、東京03、おぎやはぎ、ラーメンズ、等の芸人にはある種の共通点があります。
彼らは、それまでの「売れている芸人のコンビ仲は悪い(ように見せる)」という風潮を崩し、相方への愛情をあけすけに表現する「相方大好き芸人」という新しい流れを作りました。
2000年代に入ってから増えた「相方大好き芸人」は、不況や政治不信などの暗い世相に対する反動から、広く大衆に受け入れられたように思います。
つまり、オークラさんと関わった芸人は、くしくもティン・パン・アレーを彷彿とさせるひとつの潮流をつくったのです。
これを私は「オークラ世代(オークラ・ティン・パン・アレー)」と名付けたいと思います。
その、オークラ世代の兄貴分に位置するのがさまぁ〜ずです。
その兄貴がウッチャンナンチャンで…と、永遠に続けられる東京芸人の系譜。
ここに、新・お笑いBIG3とともに、「オークラ世代と兄貴」をざっくり年表へ提案したいと思います。
…………
妄想ここに極まれり、という駄文ですが、おつき合いいただいてありがとうございました。
twitterのハッシュタグで「#あなたが考える新お笑いBIG3」を作りました。
まだ参加者はいないですが、多くの方々と考えられたなら嬉しく思います。
よろしければお願い致します。