静寂を待ちながら

お笑い、テレビ、ラジオ、読書

『とても個人的な谷川俊太郎展』『外山光男アニメーション展「夏なのに」』、そしてにっき。

こんばんわ。暑いですね。私は完全なる夏バテです。楽しそうなことに目を光らせつつも、体力が続かずに不義理をしてしまうこともしばしば。「筋肉が自慢の頼れる兄貴化計画」には程遠い、へなちょこっぷりが悲しいです。

そんな中、何とかうかがえた素敵な展示のことなどをさらりと。

…………
とても個人的な谷川俊太郎展」。於:space SYMBIOSIS(2015/7/14〜30)

札幌在住のフリーライター、古川奈央さんによる企画。彼女の蔵書、CD、映像、谷川さんのグッズなどの展示でした。膨大な谷川さんの作品や、顕微鏡で見る詩などの洒脱なグッズに魅せられて、会期中何度かお邪魔させていただきました。

谷川さんの詩は、周りに好きな人が多いせいで、一通り読んできたつもりになっていたのですが、こちらを拝見し、その山裾にもいなかったことがわかりました。筆歴60年の仕事量は圧巻でしたよ。詩はもとより、絵本、翻訳、作詞、戯曲、写真、など多岐にわたる活動。どんなジャンルも柔軟におよぎきる格好良さたるや。本当に偉大な方なのですね。今更ながら。

また、主催の古川さんの温かなお人柄に触れるのも、訪問の楽しみの一つでした。そのやさしさにあまえ、途中、人生相談までしてしまいまして…。本当にずうずうしくてすみません。
古川さん、その節はお世話になりました。心から感謝しています。

…………

外山光男アニメーション展「夏なのに」 於:CAFE ESQUISSE (2015/7/16〜8/9)

新進気鋭の映像作家、外山さんの個展。原画の展示と、映像作品の上映会です。また、会期中にはギターデュオ"Ennui(アンニュイ)" とのコラボライブも行われます。

こちらも、何度かうかがったのですが、外山さんの、もの悲しくもどこかユーモアある世界観の虜になってしまいました。
どの作品も、詩的で品があって、さみしくて、でも優しくて。つまり、すごく魅力的なのです。

在廊されているときに、ずうずうしくもお話をうかがったのですが、気取らず、熱を秘めた語りっぷりが素敵で、すっかりファンになってしまいました。

作品集も素晴らしいです。

珈琲の晩 [DVD]

珈琲の晩 [DVD]

7作の短編が入っています。わたしは「金星の夢」「遠い散歩」がお気に入り。

こちらはまだ会期中ですので、ご都合あうかたは是非!おすすめ!です!

…………

最近読んだ本で感銘を受けたもの。

教団X

教団X

出だしだけちらっと見てずっと積読だったのを、先日一気読み。人生が変わりました。
科学、信教、性、人生、など幅広いテーマを網羅した物語、その広げ方とたたみ方の妙よ。これは現代の聖書といっても過言ではない。
また、行間ににじむ、中村さんの気迫と品格にも胸打たれました。世界に誇れる作家です。
久しぶりに、「背中に手を入れてぐっと引き起こされるような作品」に出会えてうれしかった。こんなすばらしい人と同じ時代を生きられているなんて幸せだ。
彼が後書きにいつも書かれている「共に生きましょう」のフレーズも胸にしみます。


そういえば、中村さんとも親交があるでおなじみの又吉さん。「火花」、209万部ですってね(2015年8月4日現在)。大ベストセラーじゃないですか。何だかすごすぎて、ぽかんとしちゃいます。

彼は、売れてない時からやっていることが全く変わっていない。本読んで、文章書いて、漫才とコントやって、大喜利やって…、と活動が一貫している。ただ、周りが変わっただけ。時代が追いついたんだな、きっと。嬉しいことです。

すばらしい人々と出会い、良質な創作に触れて、その喜びをかみしめながらも、さてオラは…と己を振り返ると、毎日まあまあ絶望します。なさけなくってさ。ちぇっ。

まあ、でも自分で自分を見捨てたらおしまいだな。愚かしさやしょうもなさを受け止め、時に尻をけり、時に頭をなでながら、何事も自分に誇れるようにやっていくしかないのな。
がんばります。

結局また反省文みたいになって恐縮ですが、ここらで退散します。ご静聴ありがとうございました。