静寂を待ちながら

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森の中のcero

2012年5月5日、ペニーレーン24にて行われた「BigBoyBang2」へ行きました。

http://www.facebook.com/BigBoyBang2
http://www.wess.jp/pc/artist/html/bigboybang2.html

対バン形式のライブですが、「音楽とアートのコラボ」といった様相の、上質なイベントです。
会場のデコレーションテーマは「森の中」。空間デザイナーによるプロデュースとのこと。

ロビーには絵が飾られ、

スーパームーン」のこの日を彷彿とさせるステージ。

いたるところが、可愛らしくライトアップ。


これはキノコをモチーフにしているのだそう。

闇の中にぼうっと浮かび上がる光とステージはとても幻想的で、童話の中のワンシーンに迷い込んだかのよう。本当にうっとりする空間でした。
イベンターのばーちーさんこと千葉さんは、なんと22歳。この若さでこんなに素敵なイベントを開くとは、末恐ろしいことです。

個人的に大ファンである、ceroのレポを綴ります。
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cero
Contemporary Exotica Rock Orchestra 略してcero(セロ)。

2004年に高城、荒内、柳で結成。2006年ごろからジオラマシーンとして活動する橋本が加入。
様々な感情、情景を広く『エキゾチカ』と捉え、ポップミュージックへと昇華させる。
2007年、鈴木慶一氏(moonriders)の耳にとまりプロデュースしてもらう。
2011年、初の流通音源「WORLD RECORD」をカクバリズムより発売。本秀康氏による印象的なジャケットのイラストも相まって好評を得る。
発売から少しして柳が絵描きとしての活動に専念するため一旦抜ける。
現在、主にライブではMC.sirafuとあだち麗三郎らによる腕利きのサポート陣を迎えた布陣で愉快な演奏を各地で繰り広げている。

http://www.geocities.jp/cerofan/ より抜粋

ceroというバンド名ですが、元の由来は、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」からだそう。
「Contemporary Exotica Rock Orchestra」というのは後付けらしいですが、名は体を表す、という印象です。

彼らの音楽はフィッシュマンズを彷彿とさせながらも、フリッパーズギターのようでもあり…。
「Contemporary」というだけあって、多くの音楽がジャンルレスに取り込まれています。軽やかに、進化し続けているバンドです。

ceroの品のよさ、「音楽小僧」と呼びたくなるような、てらいのない演奏、そしてどこか愛嬌のある音色がとても好きです。

当日のセットリスト。

1 exotic penguin steps(intro)
2 exotic penguin night
3 マウンテン マウンテン
4 船上パーティー
5 Rolling Rolling(七尾旅人×やけのはら)
6 Tokyo Contemprary Cruise
7 (I found it)Back Beard
8 小旅行

(3〜6の順番が若干あやふや)

半年ぶりのceroに心躍らせていったのですが、こちらの予想をはるかに超越。
素人がこんなことを言うのはおこがましいですが、半年前より相当パワーアップしていました。
OPアクト的な1曲目の、フルート・クラリネット・トランペット・小鳥のさえずりのようなリード?など、管のパフォーマンスは絶品。

4曲目の「船上パーティ」では、途中、Vo.高城さんがメガネをはずすというパフォーマンスがあります。
で、次の曲へ進む際に、メガネをかけ忘れるというヒトコマが。
ツイッターで『高城君、メガネかけ忘れてかわいい〜』ってつぶやいてね。お気に入りにコレクトするから」
といい、笑いを誘いつつ、女子のハートをわしづかみにしていました。

そしてワンマンで初お披露目&特典CD化されたという「Tokyo Contemprary Cruise」の格好よさといったら!
本当にしびれました。‘10年代を代表する名曲と言っても過言ではありません。

同楽曲の一部。

ああ、この音源が欲しい…。

7曲目の「(I found it)Back Beard」は、ほとんどがインストですが、最後にコーラスが挿入されます。
高城さんのあおりに誘われて、後半、フロアのお客さんも合唱。静かに、しかし熱に包まれた声が広がりました。
徐々に森の中を満たしていく歌声に、「美しい…」とため息をつく高城さん。

この日のceroは、まるで森の精霊・ニングルや木霊のように、
茶目っ気たっぷりの、魅力的な音楽を奏でてくれました。

ひと言で言えば、最高でした!!!
聴けて良かった〜。

MCで、「北海道の、なんか、おっきいフェス出たいよね〜!」という発言に、会場は大盛り上がり。
フジロックの次は…、ceroよ、夏フェスを梯子せよ!

そして、新曲をどんどん作っているとのこと。
セカンドアルバム発売、早く実現させてほしいものです。

ファーストアルバムはこちら。

WORLD RECORD

WORLD RECORD

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他アーティストでは、個人的にはキセルututuがよかったです。
キセルはもう圧巻で、ベテランのステージでした。
ututuは初めて聴いたのですが、安藤裕子のような雰囲気で、これまた「森の中」というコンセプトにぴったり。
オープニングアクトタニザワトモフミさんは、独特の陰影あるロックな世界観をくりひろげ、オワリカラは、本人たちいわく「はっちゃけ担当」として存分に弾けていました。

このイベントは今回で2回目だそうですが、ぜひ3回目の開催を期待しています。