静寂を待ちながら

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綾部祐二という男・1

お笑いコンビ・ピースの突っ込み担当、綾部祐二さん(34)。

エロネタや熟女大好き芸人として知られ、
品川庄司の品川や千原ジュニアチュートリアル徳井など先輩芸人と親しい「太鼓持ち」。
また「夢はハリウッド俳優、オーシャンズ18か19に出演したい」「家では布袋さんのDVDとCDを同時に流しながら、MC部分まで布袋になりきって熱唱している」などの発言*1から、天狗キャラも定着しつつある。

相方の又吉直樹さんは、太宰をはじめとする文学を愛し、先日のアメトーーク(2012年4月5日放送)には女の子苦手芸人として出演するなどから、寡黙で朴訥、お笑いにストイックという印象だ。
「陽と陰の対照的な二人」というのが、一般的な認知だろう。

しかし、又吉さんの分かりやすい屈折に比べると、綾部さんの闇は相当に深い。

ここからはいちファンが勝手に妄想したストーリーです。
問題あれば削除しますので・・・。

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まず、綾部祐二という男を語るには、彼の父親の、数奇な生い立ちに触れなくてはならない。

(よしログ2012年7月10日より抜粋)

綾部さんの父が、おそらく小学校高学年か中学ころに、お母さんとサーカスを見に行ったときの話。
新しい服をひとそろい買ってもらい、サーカスを観てはしゃいでいた。
その休憩中に、母は忽然と居なくなった。
置き去りにされたのだ。

幸せな瞬間から一転、捨てられっ子になり、呆然とする綾部父。
そして父親の弟、彼からみると叔父に引き取られた。
叔父は「お前は俺の実の子じゃないんだから、子どもとして扱わない。
だから、家の仕事をしっかり手伝いなさい」
と言い渡した。
彼は、幼い従姉妹たちの面倒をみたり家事を手伝ったりして、思春期を過ごしたそうだ。

詳しい事情は分からないが、「父親の弟が引き取った」ということがどうも引っかかる。
この動画からすると、綾部父のお父さんは幼少時に事故で亡くなり、母子家庭で育ったようだ。
なのに父の弟が引きとらざるを得なかったと。
厳しく当たった叔父の言動は、一概に責められないように思う。

かといって、決して暗かったわけでもない綾部父。
高校ではバスケ部に所属し、女の子から黄色い声援を浴びていた。
それに味をしめ、「もっともてたい!」とばかりに、
校内でも目立つ場所だった、焼却炉の前へ、わざわざドリブル練習をしに行っていた。
そんな彼を、今の妻である当時の同級生の女の子は、相当に嫌っていた*2

その後、綾部父は鉄道会社に就職し、件の彼女とめでたく結婚した。
二人の男子にも恵まれ、幸せな家庭を築いた。
ただ、年齢を重ねてもプレイボーイはおさまらず、妻は陰で苦労したようだ。

勘ぐりすぎかもしれないが、母を失い、愛情を求めてさまよう姿は、源氏物語の主人公・光源氏に重なるものがある。

反面、綾部父は正義感に熱い男でもある。
寒風吹きすさぶ茨城の冬で、車を走らせているとき、老人がバス停でバスを待っているのを目にすると
「おばあちゃん、駅まででしょ?乗っていきな!」
と気さくに声をかけ、見知らぬ人を自分の車に乗せて目的地へ送り届けるのだ。
祐二少年は小さい時、それがとても恥ずかしかったそうだ。*3

しかし「俺んちの父ちゃんは本当にいい人だ」と誇らしげに語ってもいる。

綾部父は、ルミネで販売されているピースのステッカーを買い占め、
ピースファンと思しき女の子に「綾部の父です」「応援ありがとう」と話しかけるほど、息子思いな人だ。
…まあちょっと、目立ちたがりな気もしますが。
綾部さん本人も、自分のことを「本当に一般的な、幸せな家庭に育った」と言っている。
実際、綾部父は、温かい家庭にとても憧れていただろうし、家族や周囲の人を力いっぱい愛することで、
ポツネンと空いた心の穴を埋めていった。

しかし、父の生い立ちは息子・祐二が成長していく中で、かなり深い影を落としている。
必然と偶然が重なりあう様は、まるで大河小説のように美しく、苦しい。

今日はここまで。
まだまだ続きます。
2はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/CultureNight/20120412/1334183217

*1:2009年4月15日「笑イジングサンシャッフルトーク カナリア×ピース」

*2:2010年2月26日 ピーストークライブ「超ピース♡」より

*3:よしログ2012年7月10日